会社が大きくなっていくと、本業以外のことで社長の時間や心労を奪われることが多くなってきます。経理関係や資金繰り、そして人事や労務問題などは特に労力がかかり、本来力を入れるべき売上を上げることに集中できなくなってしまいます。
社長が本業で売上を上げていくことに集中するためには、経理などの経営周辺業務を、社外の専門家にアウトソージングしてしまうことが、効率化経営の有効な手段の一つとなります。
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会計業務をアウトソースするメリット
中小企業の経営において経理や会計部分をアウトソースすることにはどのようなメリットがあるでしょうか。
大きく分けると下記のようなメリットがあります。
- ① 人材不足に振り回されなくなる
- ② 税制や法改正などの変化に対応できる
- ③ 専門知識を持ったプロのサポートを得られる
- ④ 情報漏えいのリスクが低減する
- ⑤ コストの削減
上記の1つ1つについて検証していきましょう。
① 人材不足に振り回されなくなる
経理業務には、想像以上に専門的な知識とスキルが必要です。中小企業は、「経理」がしっかりできる人材を採用することは難しいです。一般的に会計や経理の能力が高い人材は中小企業に流れてきないものだと考えるべきでしょう。経理はお金に関わる大切な仕事であるにも関わらず、能力的に信頼して任せられる担当者の採用は至難の業です。
経理の仕事の重要性の一つに「信用できる」ということも大切なので、多くのオーナー社長は、経理の仕事を身内の人間に任せます。それは正しい選択肢の一つです。しかし、身内の方は信用はできますが能力という面では不安が残ってしまうことがあります。
しかし、経理をアウトソースすることで、「信用」と「能力」の2つを同時に満たすことができます。アウトソース先では専門的な知識やスキルを持ったプロが経理を行ってくれます。そのため、経理業務のミスが発生しません。また、アウトソースすることで経理が辞めるリスクや採用不安などの悩みが消えます。
また、多くの中小企業が陥っている「一人の経理担当者が全ての会計業務を行っているリスク」についても気を付けるべきです。中小企業では、一人の経理担当者が全ての会計業務を行っているケースが多くありますが、そのような体制は下記のような大きなリスクをはらんでいます。
・不正な経理処理があった場合でも発覚しづらい
・大きなミスを見落とす可能性が高い
・担当者が突然辞めると経理が止まってしまう
このようなリスクを減らすためにも、経理アウトソースは有効な手段となります。
② 税制や法改正などの変化に対応できる
税制改正というものは頻繁に行われ、その変更内容によっては経理業務にも影響が出ることがあります。しかし中小企業の経理担当者は税の専門家ではないため、最新の情報や変更点について常に把握することは難しいものです。
しかし、経理をアウトソースすることで、アウトソース先が最新の情報を把握しているため、変更点について正しく迅速に対応することができます。アウトソース先は、法改正や税制の変更に対応できる知識を持ったスタッフを抱えており、適切な処理を行ってくれます。
さらに、アウトソース先から自動的に最新の情報が提供されるようになります。中小企業のオーナーにとっては、それが貴重な情報源となることがあります。アウトソース先から提供される最新情報を受け取り、それに基づいて経営戦略の変更を行うことも可能となります。
③ 専門知識を持ったプロのサポートを得られる
中小企業が経理をアウトソースすることで、社内に経理専門の担当者を置く必要がなくなり、加えて専門知識を持ったプロのサポートを得られるようになります。
社内に経理担当者を置く場合、その人の給与の他に、社会保険料や育成費用などがかかります。また、中小企業では経理担当者の採用や育成にかかる時間や労力が限られており、無駄な時間を使うことになり業務が非効率になります。
しかし、経理をアウトソースすることで、社内の経理業務がなくなり、わずらわしさが消えます。アウトソース先では経理の専門家が対応するので、経理業務をミスなく安全に遂行することができます。アウトソース先では経理処理や帳簿管理だけでなく、決算業務も併せて依頼することで、シームレスにこれらの業務を一気通貫で任せることができます。
また、アウトソース先が提供するサービスには、経営についてのコンサルティングも含まれており、オーナー経営者の経営課題に対して専門的なアドバイスを受けることもできます。アウトソース先が持つ専門的な知識や経験を活用することで、中小企業の経理業務だけでなく、経営を有利に進めることができるようになります。
④ 情報漏えいのリスクが低減する
中小企業が経理をアウトソースすることで、社員による情報漏えいのリスクを無くすことができます。
経理には、企業の財務情報や個人の給与情報など、機密性が高い情報が含まれています。社員がこれらの情報を社内で漏らしたり、あるいは情報を不正に利用したりすることがあるかもしれません。また、社員が経理業務を行う場合、ヒューマンエラーが発生する可能性があります。
しかし、経理をアウトソースすることで、社員によるそれらの情報漏えいのリスクを無くすことができます。かつヒューマンエラーのリスクも消えます。
実際にある極端な例ですが、オーナー経営者の一見遊んでいると勘違いされそうな営業行動が間違った見方で社内に広がることもなく、各社員の給与額やボーナス額も社内に漏れることもなく、不正経理による資金消失のリスクも消え、社長が安心して本業に専念できるような環境が整うことにつながります。
⑤ コストの削減
社内に経理担当者を配置する場合、その人件費だけでなく、社会保険料や福利厚生費用など、隠れた費用が多くかかります。お金だけでなく教育する工数や時間もかかります。また、業務量が少ない場合でも経理担当者が常駐するため無駄な費用が発生します。
一方、経理をアウトソースする場合、これらの様々なコストを削減することができます。アウトソース先は、専門的な知識とスキルを持った専門家がすでにいるため、教育や研修の費用と時間が不要となります。
そのため、中小企業が経理をアウトソースすることで、コスト削減につながるので、中小企業にとって有益な選択肢の一つとなります。
会社はスリムな体制にするべき
中小企業が本業以外の部分をアウトソースして会社経営をスリムな体制にすることは、有効な経営手段の一つです。
中小企業が自社で全ての業務を行うことは、人員不足や採用の手間の面から困難を伴います。また人件費などの費用面からも非効率です。自社のコアビジネスに極力集中するために、非コア業務をアウトソースすることは有効な経営手法なのです。
例えば、経理、人事、総務、ITなどの専門的なスキルが必要な業務は、アウトソースすることで、外部専門家による最新の能力や知識を活用することができます。また、アウトソースすることで、社内で業務を行う場合に比べて、人件費や採用費、教育・研修費用などの削減につながります。
さらに、非コア業務をアウトソースすることで、自社の能力リソースを本業に集中させることができ、効果的な結果を生み出しやすくなります。また、アウトソース先に業務を任せることで、経理担当者の業務量が減少し、他の付随業務に時間を割くことができるようになります。そのことでさらなる社内業務改善につながる場合があります。
中小企業がアウトソースを利用することで、経営効率化やコスト削減、外部専門知識の活用、コア業務に注力できるようになるなど、多くのメリットが発生します。経理アウトソースを上手に活用し、スリムな体制で効率的な経営を実現することが可能となります。
経理を任せることができるアウトソース先の探し方
そうは言っても、自力でアウトソース先を探して、その能力を測って、適正な金額で依頼することは難しいことが想像できるでしょう。
適切なアウトソース先を探す場合は、やはり私たちのような、業界のプロに探すことを依頼するのが安全だと思います。
経理アウトソース先を選定する場合のチェックポイントは下記のようなものがあります。
■ Freeeなどのクラウド会計を扱えるかどうか
Freeeなどのクラウド会計を扱えるかどうかは重要なチェックポイントの一つです。クラウド会計の良さはいくつかありますが、特に良いと思える点は、銀行データを自動的に吸い込んで会計に反映したり、クレジットカードの利用履歴も自動的に吸い込んで会計に反映させたりします。このことで会計データの反映スピードが速くなるし、入力ミスもなくなります。
また、中小企業の社長がいつでも気軽に自社のBS/PLをウェブでリアルタイムに確認できるようになります。月次会計が当たり前のようになります。
会社の経営状況をリアルタイムに知ることができることで、社長が常に正しい経営判断がしやすくなります。
■ 経営アドバイスが付いているアウトソース先がどうか
顧問の税理士から受けられる経営アドバイスに物足りなさを感じている社長が多いと思います。その理由は、そもそも経営アドバイスを税理士に求めているところに間違いの根本があるかも知れません。
中小企業の経営はすべての面の能力が必要です。ある程度の規模の中小企業を経営したことがない税理士の守備範囲を超えているのです。
経理アウトソース先に会計データを把握してもらった上で、オーナー経営者の側に立って、経営の様々な側面をアドバイスしてくれる先を見つけられたら経営は非常に楽になります。経営アドバイス部門がある経理アウトソース先を選ぶと良いでしょう。経理のアウトソースによるトータルコスト削減効果で経営アドバイスが得られるケースも往々にして発生しています。